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​台風10号を経験し思うこと
 今月初めに上陸した台風10号。九州を中心に各地で様々な被害をもたらしました。発生当初は、特別警報級の勢力になると警戒が呼びかけられ、「命を守る行動を」とよくメディアで言っていたのを覚えています。台風上陸前は飲料水や台風養生道具、非常用電気小物など、多くの人達が買い求める姿も見られました。
 実際、台風10号は上陸前に勢力を弱め、予報より雨量が少なかったり、予定より早い速度で通過したため、発表された情報が過大ではなかったのかと言う声も少なくありませんでした。
 宮崎県建設業協会に所属する建設会社には、「宮崎県との大規模災害協定」というものがあります。これは台風や地震など、災害発生時に道路の復旧や氾濫した河川を復旧など、様々な災害時に出動しその対応をするものです。今回の台風10号でも要請があり、私は会社で万一の事態に備え待機していました。実際の活動としては台風前・台風接近中は会社で待機していたのみで、台風通過後の明朝に担当している県道を倒木や危険個所がないか巡回し、通行に支障のある倒木などの処理をしました。
 「大した事なくて良かった。」
​これが台風通過後に、私が思った事でした。あのニュースを見るまでは。
そうです。椎葉村で建設会社事務所が土砂崩れに巻き込まれ、4人の方が行方不明になっているニュースです。​ニュースでご存知の方がほとんどなので、内容は割愛させて頂きますが、このニュースを見て「大したことないなんて思えない、他人事じゃない。」ただただそう感じました。
 災害発生から懸命な捜索が続く中、7日からおよそ80人態勢だった規模も、約一週間後の16日には縮小され捜索活動は難航していました。そんな中、私の所属する建設業協会青年部から、捜索活動協力要請がありました。
​ 9月19日、私は青年部一同と被災した椎葉村に向かいました。この日は県内各地の建設業協会青年部およそ120人が捜索活動に参加していて、日向地区の青年部と消防団が河川内の捜索を行い、私たちは河川の定点観測で捜索を行いました。
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朝から夕方まで懸命な捜索活動が続きましたが、行方不明者3名を発見する事は出来ませんでした。(※9月19日現在、行方不明者1名発見)
 今回の台風10号は、大した被害がなかったという声を聞きますが、私は災害の恐ろしさと防災意識の大切さ、そして建設業界がそれらに直接関わる事ができる社会的に重要な役割を担っているんだなという事を、再認識させられる出来事となりました。
 現在(9月23日時点)も、行方不明者が見つかっておらず捜索活動は続いています。行方不明の3人が、早く家族の元へ帰れる日が来るよう心よりお祈り申し上げます。
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